口元の疲れや歯の違和感や痛みの原因は歯ぎしりかも⁈

2020/01/30

口元の疲れや歯の違和感や痛みの原因は歯ぎしりかも⁈

 多くの方は歯ぎしりをすることで「歯が痛くなる」「音が周囲に迷惑をかける」くらいの影響範囲だと思っているかもしれません。しかし、歯ぎしりは意外にも全身に多くの影響を及ぼす危険性があります。睡眠医学では、歯ぎしりの他に強く噛みしめることやカチカチと歯を鳴らすことを含めて「睡眠時ブラキシズム」という病気としてとらえられています。欧米やアジアでの調査によると、歯ぎしりによる不快な雑音を自覚している人の割合は、子どもで10~20%、成人では5~8%、高齢者になると2~3%程度です。歯ぎしりは年齢とともに減少し、男女間に頻度の差はありません。歯ぎしりによって以下のようなトラブルが起こるかもしれないことを認識しておきましょう。

1)歯が折れる、欠ける

 歯ぎしりをすることで、歯が折れる、欠けるなどのトラブルが発生します。歯は本来エナメル質という非常に硬い素材で構成されています。しかし、睡眠時に歯ぎしりによってかかる力はなんと約70kgにも達します。食事中が約10kg程度なのでその7倍にあたるだけに、歯にとても負担がかかっていることがわかります。さらに歯ぎしりは癖づいているので、短期ではなく長期間にわたって続くケースが多く、最終的に歯が折れたり、欠けたりすることがあります。

2)顎関節症や筋疲労

 歯ぎしりは歯だけではなく、顎にも大きな負担をかけるため、顎関節症になることがあります。顎関節症は、食事がしづらくなったり、日常生活に支障をしたりするほどの症状が現れることがあります。顎の不調を感じた際は、夜中の歯ぎしりが原因の可能性も1つとしてあります。また顎に関連した筋肉疲労もあります。中でも影響を受けやすいのが首や肩のコリです。これは歯ぎしりが首や肩に影響を及ぼした結果であるかもしれません。

では、治療はどうしたらよいのでしょうか?

 歯ぎしり自体を治すことはできないので、それによって生じる歯や顎へのダメージを軽減することになります。ナイトガード」は睡眠時専用のマウスピースで、これを装着して眠ることで、早顎に加わる負担を軽減するとともに、歯ぎしりの不快な音を防止することができます。当院では軟らかい素材のナイトガードを作製しております。

 歯ぎしりというと、近くで寝ている人に迷惑がかかるものの、自分自身にはさほど大きな影響はないと思われている方も多いですが、歯が砕けるリスクがあるなど実は意外と深刻な症状です。将来的に後悔しないためにも、歯ぎしりが悪化する前に対策に講じたほうが良いでしょう。ご相談お待ちしております。



 

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