持病の薬と歯の治療 ~歯科医師に伝えてください!~

2021/04/08

持病の薬と歯の治療 ~歯科医師に伝えてください!~

◆持病の治療と歯の治療ってどんな関係があるの?

 歯の治療に体の治療が影響するということは、知らない方も多くお見えではないでしょうか。ひと昔前まで、歯科医師も歯と体の関係を気にする必要は少なかったです。昔の歯科医院は、虫歯や歯周病の患者さんであふれ、高齢者になるまでに多くの方は歯を失っていました。歯科医師は、健康な子供や大人の患者さんを相手にしていればよかったからです。

 しかし、時代が変わって、今は超高齢社会となっています。65歳以上の高齢者が25%を超えています。子供の虫歯が減るなか、歯科医院においでになる患者さんの多くが中高年層となってきました。多くの方が持病を持ち、他科で処方されたお薬を常用しています。統計では、65歳以上の高齢者の約6割が循環器系の問題を抱え、多くの患者さんが血管が詰まらないように血液をサラサラにする薬を服用しているということです。また、最近はがん治療も通院で可能なことも多くなってきました。点滴の抗がん剤治療をしていたり、あるいはがんの骨転移を防ぐためにビスホスホネート製剤(BP製剤)を服用していたり、また、BP製剤は骨粗しょう症治療薬としても服用している持病の方が多くいます。

◆お口と体の健康を守るために

 現在の歯科医療では、患者さんの全身疾患に対応した治療を受けられるような対策を行っています。治療を行う際に、持病の治療で服用している薬の副作用などによって、不利益をこうむらないようにすることが重要となります。そこで、今は必要に応じて、歯科医師が医科の主治医に患者さんの全身状態について問い合わせ、連携して治療を進めるようになっています。患者さんが申告してくださらないと、歯科医師は副作用などを防ぐための対策をとることができませんので、治療を受ける際には、今他科で受けている治療について必ずお伝えください。

 

 

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