歯を削っているのは道具にはダイヤモンドがついています!

2021/05/31

歯を削っているのは道具にはダイヤモンドがついています!

 今回はちょっとした歯科の道具に関しての話題になります。「ダイヤモンドは永遠の輝き」という広告がありましたが、女性の宝石へのあこがれ、特にダイヤモンドは永遠のようですね。

 ダイヤモンドは、この世の中で最も硬い物質であることは、皆様もご存知かと思います。だから工業用に合成されたダイヤモンドは、ガラスの切断など、いろいろな切削器具に利用されています。

 私たち歯科医が、虫歯になった歯などを削るときにも、ダイヤモンドを使っています。これは歯の表面をおおっているエナメル質が、ダイヤモンドと同じくらい硬いからです。硬さを計る単位(モース硬度)で正確にいうと、ダイヤモンド10、エナメル質は7です。

 歯医者さんに行くと、キーンという高い音が聞こえて、その音に寒気がしたり、怖かったりという患者さんは多いですよね。あればエアタービン(圧搾した空気の力で、羽を高速で回転させる切削器械)の音です。

 50~60年ほど前にこのエアタービンが開発されるまでは、歯のエナメル質を削ることは大変なことでした。エアタービンのおかげで、今では効率よく、また正確にエナメル質が削れるようになり、歯科医療の精度が向上しました。また、同時に患者さんへの負担もずいぶん軽くなり、快適になりました。アタービンは、1分間に30万から50万回も回転するので、あのようなキーンという高い音が出てしまいます。回転する羽に取り付ける刃先の先端にダイヤモンドの粉末が付けられています。また、高速で削ると熱が発生するので、冷却するために刃先に向かって水が出るようになっていたり、正確に削れるよう照明装置が組み込まれたものに今はなっております。また、大きさもより小さいものも開発されたりして、患者さんの負担は格段に軽減されてきています。

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