歯がしみる! ~夏になって冷たいものがおいしいけど~ 知覚過敏の治療は?
2021/07/29
前回は「知覚過敏」の症状や虫歯との違いについてお話しました。今回は知覚過敏の治療についてです。知覚過敏は歯茎やエナメル質に保護されているはずの「象牙質」が露出してしまい、歯の神経に刺激が伝わりやすくなっている状態です。
一番多い原因が「過度な歯みがき」になります。歯を磨く時に、固めのブラシでゴシゴシ磨いていませんか?また、虫歯にならないようにと、力を入れて磨いていませんか?強すぎる場合は歯茎を傷つけたり、歯の表面を削ってしまったりします。普段の歯みがきであれば、歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力でも十分に歯垢(歯の表面に付着している細菌)を落とすことができます。
また、知覚過敏専用の歯みがき粉を使用してみるのも1つです。知覚過敏に有効な成分がはいっています。一例ですが、乳酸アルミニウム配合で、しみる知覚ホールを封鎖したり、硝酸カリウム配合で、神経への刺激伝達を抑えたりします。歯みがき粉の量にも注意してください。研磨剤入の歯磨き粉をたっぷり付けて歯磨きするのも、知覚過敏の一因となります。歯みがき方法やどんな商品が良いか迷う場合には、歯医者さんに相談してくださいね。
歯医者さんの治療は、歯がしみる象牙質の露出部分に知覚過敏用の薬剤やコーティング剤を塗り込んだりします。また痛みが強いときは、削れた部分にレジンと呼ばれるプラスチックをつめたりして、物理的に刺激をシャットダウンしていきます。このような処置を行っても、あまりに痛みが強くて、日常生活に支障のあるレベルであれば、歯の神経が炎症を起こしている可能性もあります。歯の神経を取り除くことは、歯の寿命を短くしてしまうため極力避けたいところですが、どうしてものときは神経を取り除かないといけないケースもあります。