舌の表面(背面)のできもの?がんではないか? ~地図状舌~
2021/08/19
先日、患者様から「舌の表面(背面)にできものがあって、がんではないのか心配です」というご相談がありました。「なんか前と形がかわっていて・・」ということでした。舌を診せていただくと「地図状舌」でありました。
地図状舌とは、舌の表面に地図のような模様ができるために、このような名前が付いたと言われています。地図状舌に一度かかると、何度でもかかるのが特徴で、妊婦や幼児がかかり易く、舌の表面に地図のような赤班や白班のまだらな模様が出て、半円形のまだら模様の斑紋ができる病気です。
この地図の模様が日により変化するのが特徴で、数週間で消えるものもあります。しかし数ヶ月や数年に渡って症状が消えないのが基本的です。自覚症状はほとんどなく、あっても舌が少しヒリヒリするとか、しみる程度で重症な自覚症状はありません。
地図状舌の原因は解っていませんが、ストレスやビタミンB群の不足、微生物の刺激、気管支炎、鼻炎、金属アレルギー、粘膜疾患、顎の病巣、神経性障害、自律神経失調症などが、指摘されています。ビタミン不足は地図状舌ばかりでなく、口内炎の原因にもなっています。
治療としては、自覚症状がない場合は、何もしなくても良いのですが、歯科医の診察を受けておく方が安心できるかも知れません。また、食べ物がしみたりする場合には、口腔用のステロイド軟膏などを用いて治療しますが、刺激物のある食べ物は避ける方が良いでしょう。うがい薬でよくうがいをしたり、ビタミンB群の内服など使用して、口腔内を清潔に保っていると、症状の改善がみられる場合もあります。