胃がんの原因の1つのピロリ菌はお口の中にも!
2022/05/25
胃の粘膜で悪さをするというピロリ菌については耳にしたことはあるでしょうか。ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」、人の胃粘膜に定着する菌です。ピロリ菌に感染すると胃粘膜に炎症が起こり、その状態が長く続くと萎縮性胃炎(慢性胃炎)に進行します。そして、萎縮性胃炎になると胃がんになる危険性が高まります。ピロリ菌の存在が胃がんの原因になると言われております。
ではいったいピロリ菌はどこからやってくるのでしょうか?
感染経路は現在も明らかになってはいませんが、衛生環境が整備されていない時代や地域などの経口感染によると考えられています。そして、感染するのは主に5~6歳以下の幼児です。免疫力の低い幼児期に、生水や食べ物と一緒に摂取してしまうことが大半だそうです。さらに幼児の場合、胃酸酸度や分泌量が低く、ピロリ菌が胃内で生き続けやすい環境であることも感染要因のひとつです。
もう一つ、実は、口の中にもピロリ菌が潜んでいることをご存知でしょうか。
近年、研究論文で「歯ぐきの中の汚れや唾液中からもヘリコバクターピロリ菌が検出・分離される」、「胃のピロリ菌除菌後の口の中を調べた結果、口の中のピロリ菌検出率は60%であった」といった報告があります。口の中のピロリ菌は口の中のカンジダ菌の細胞内に入り込み、従来の抗生物質の薬の投与では全く無効で、胃のピロリ菌除菌後の再感染の主な原因と予想されています。
全身の病気に関与していると言われている細菌をコントロールして抑制していくためにも、歯科医院でのクリーニングが重要となってきます。
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