虫歯の発生を防ぐ甘味料はキシリトールだけ!

2022/06/30

虫歯の発生を防ぐ甘味料はキシリトールだけ!

 キシリトールが虫歯予防に効果的であることは、いろいろな宣伝によって、皆さんご存じではないでしょうか。では、キシリトールって何でしょうか、なぜ虫歯予防になるのでしょうか、そこまでは知らない方も多くお見えではないでしょうか。

◆「キシリトール」って?

 キシリトールは、もともとは「糖アルコールの一種」で、5個の炭素を持つ「甘味炭水化物」を意味しています。この甘味炭水化物であるキシリトールの仲間には、ソルビトール、マンニトール、マルチトールなどがあり、これらは多くの食品に用いられています。この食品の甘味料はなんだろうと、一度食品表示を見てみるといいですね。

 キシリトールは自然界にも存在していて、野菜や果物の中に含まれています。ガムやタブレットの甘味料として用いているキシリトールは、白樺などの木の構成成分である「キシランヘミセルロース」を加水分解して得られたキシロースに水素添加してキシリトールが人工的に作られています

◆キシリトールは虫歯の原因にならないだけでなく、虫歯の発生を防ぐ

 キシリトールは虫歯の原因となる歯垢や酸を作らないことが分かっています。虫歯の原因にならない甘味料は数多く存在し、糖アルコールはその代表であり、基本的に全ての糖アルコールはむし歯の原因にはなりません。しかし「むし歯の原因にならない」と「むし歯の発生を防ぐ」は、全く意味が異なります。これまでの研究で、むし歯予防効果を証明した甘味料は少なく、キシリトールとソルビトールだけのようです。さらに、ソルビトールよりもキシリトールの効果が優れていることも証明されています。

◆キシリトールだけでは虫歯予防できない

 虫歯予防には、1)歯をみがくこと(ブラッシング)2)フッ素入り歯みがき剤を上手に使うこと3)発酵性の食品が口に中に留まる時間を短くすること(正しい食生活)、そして4)定期的歯科健診での確認です。

 キシリトールを使う(食べる、摂取する)ことは、前述の虫歯予防方法に取って代わるものではありません。ただキシリトールを使う事は、これらの手段の効果を著しく向上させます

 キシリトールの効果が期待できる菓子は、ガムかタブレットに限られます。ガムやタブレット以外でキシリトールが口の中に長く留まるものが無いからです。またキシリトールができるだけ高濃度(50%以上)入っている事と、砂糖などの発酵性の甘味料が入っていない必要があります。『シュガーレス』表示を確かめるか、パッケージの成分表示を良く見て、糖類が0gで有ることと、糖質中におけるキシリトールの割合が50%を超えている事を確認してみるとよいでしょう。

 

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