妊娠中はなぜ歯周病になりやすいの?
2022/11/04
妊娠による女性ホルモンの急増は、口の中にさまざまな影響を及ぼすことがあります。女性ホルモンのうち、主にエストロゲンの増加により歯周病を引き起こす歯周病菌が増殖しやすくなります。また、プロゲステロンというホルモンは、炎症を引き起こすプロスタグランジンという物質を刺激して歯ぐきに炎症を起こしやすくします。
さらに妊娠により唾液の分泌が減少したり、つわりによる影響で、歯ブラシを口に入れると吐き気を催すために歯みがきがしづらくなるなど、適切な口腔環境が保ちづらくなります。そうした状況で、妊婦には妊娠性歯肉炎という歯茎の炎症がみられることあります。出産後には多くは治まりますが、なかには出産後にも継続して歯周病に進行する方もいます。
また、妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。その危険率は実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字です。
歯周病は治療可能なだけでなく、予防も十分可能な疾患です。妊娠に限らず定期的な健診で予防していきましょう。
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