インフルエンザ予防には口腔ケアが大事! ~発症を下げる~
2023/10/06
今年はコロナウイルス感染症だけでなく、お子様を中心にインフルエンザ感染も例年より季節関係なく多くなっているのは周知かと思います。また、コクサッキーA群やエンテロウイルスによって引き起こされる「手足口病」やアデノウイルスによる「プール熱」、RSウイルスによるインフルエンザのような症状と多くの感染症が流行しています。コロナウイルス感染症と同様に「手洗い、マスク、うがいとともに換気、3密さける」など基本的な感染予防はよく知られているかと思います。
インフルエンザは、せきやくしゃみなどの飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付着したものに触れたりすることで感染します。鼻やのどなどの気道の粘膜に付着し、細胞内に侵入したインフルエンザウイルスは、プロテアーゼやノイラミニダーゼと呼ばれるたんぱく質を溶かす酵素のはたらきで細胞外に放出され、増殖して感染を拡大します。
歯みがきや口腔ケアをおろそかにしていると、むし歯や歯周病の原因となる菌が増えて、歯垢(プラーク)となります。このプラークには、気管支炎や肺炎などの発症や重症化にかかわる肺炎球菌やインフルエンザ菌のほか、重篤な感染症の原因となる黄色ブドウ球菌、緑膿菌、セラチア菌などの細菌も含まれているとみられます。これらの細菌はプロテアーゼやノイラミニダーゼと呼ばれる酵素を出し、インフルエンザウイルスが気道の粘膜から細胞に侵入しやすくする特性があります。つまり、お口の中が不潔な状態を放置しておくとプロテアーゼやノイラミニダーゼの量がどんどん増えて、インフルエンザが発症しやすくなるということになります。臨床研究で、高齢者についてですが、歯科衛生士による口腔ケアを受けた人のインフルエンザの発症率が、本人や介護者だけから口腔ケアを受けた人の10分の1になったとの報告があります。また、インフルエンザワクチン接種するよりも、口腔ケアをした方がインフルエンザ発症率が低かったという報告もあります。
ご自身のお口に合った口腔ケアは歯科医院で指導してもらうことが一番です。またホームケアだけでは落ちない汚れは歯科医院でのクリーニングを定期的に行っていくことが大事です。
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