虫歯やお口に原因ないけど歯が痛い!! ~三叉神経痛かも~
2023/11/08
昔から通われている患者様で、歯が激痛でお見えになりました。明らかな虫歯はなく、歯茎の炎症所見も認めませんでした。以前大きな虫歯治療をした歯の神経が、炎症を起こしているのかもということで神経を鎮静させる処置を行いました。しかし、時間が経つと激痛が出現してきたため、神経を取る処置を行いました。その後も一時的には痛みがなくなるも、激痛が繰り返し出てきたりしていました。鎮痛剤を多く服用しても痛かったりしていたので、「三叉神経痛」を疑い、関連病院に紹介致しました。神経痛の薬を投与してもらってからは痛みはなくなってきました。
三叉神経痛の痛みは強く、思わず顔をしかめてしまうほどの強烈なものが多いです。噛む、歯を磨く、髭を剃るといった日常的な動作の中で起こり、顔面の半分に痛みが出るのが特徴です。
三叉神経痛は三叉神経が圧迫されるために起きる症状で、痛みが顔面に現れるため、歯痛と勘違いしてしまうことがあります。
三叉神経とは、上まぶた、額、前頭部、鼻腔に分布する「眼神経」、下まぶた、頬、上唇、上顎に分布する「上顎神経」、そして下顎、下唇、頬、下顎の歯に分布する「下顎神経」という3つに分かれています。三叉神経痛は、これらの神経が通っている範囲に痛みや違和感が出てくる症状になります。
歯科医院ではこれまでに虫歯治療などなく、健康な歯であれば三叉神経痛をすぐに疑うことはできるかもしれませんが、歯の治療がしてあったりすると、すぐに診断に至るのは困難なことも多かったりします。
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