ご飯はおいしく食べられるけど舌が痛い!  ~舌痛症について~

2023/11/16

ご飯はおいしく食べられるけど舌が痛い!  ~舌痛症について~

 舌の痛みを訴えて受診された高齢の女性の患者様。舌の先がピリピリと痛むと言うことで癌ではないかと心配になったそうです。お口の中、舌など全体的に確認しても原因となるようなものはありませんでした。話しを聞くと、普段じっとしているときにピリピリ痛み、食事や何かに集中しているときは痛みは感じないと言うことでした。舌痛症の診断をさせていただきました。

 

 舌痛症とは、舌がぴりぴりと痛い、といった症状があるにもかかわらず、痛みを引き起こすような原因を特定できない状態を指します。時に心因性のストレスから舌痛が生じることもあります。

 舌痛症の症状は舌の先や縁に現れることが多いのですが、痛む部位が移動することがあります。舌痛症の痛みの感じ方は一定ではなく、強くなったり弱くなったりと波があります。夕方から夜にかけて痛みが強くなる傾向があるそうです。 食事中はおいしい物を食べているという感覚が大きくなり、痛みが弱くなる傾向があります。また、ものごとに集中しているときも痛みが弱くなります

 舌痛症は更年期の女性に多い病気とされています。閉経後の女性の有病率は15%前後と言われています。また、男性より女性の方が発症しやすく、女性の有病率は男性の8~10倍ということです。 

 舌痛症は原因がはっきりせず、多くの場合、心身症の一つと考えられています。痛みをうまくコントロールすることと、生活の質を上げることを治療の目標とします。 まずは、そのような病気があることを認識してもらって、大丈夫と思うことが一番になります(認知行動療法の1つ)。またご自身で痛みが和らぐことを見つけていただくこともよいでしょう。食事中痛みが和らぐので、ガムを噛んでいたりする方もお見えです。それでも緩和しない場合は、心療内科で薬物療法で気持ちを落ち着かせたり不安を取り除いたりします。舌の痛みがご心配なら当院で診断させていただきます。

 

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