麻酔が効きにくい! ~その原因は~
2024/03/13
歯医者で虫歯治療をするときなどに、麻酔の効きが悪かったなという経験はありますか?自分は「麻酔が効きにくい体質なんだ」と思いがちですが、麻酔が効きにくい原因があります。歯医者で麻酔が効かない原因の多くは、歯の中の神経に麻酔薬が届いていないということになります。歯の中の神経は硬い歯質に守られているため、直接麻酔することはできません。歯医者で行われている麻酔は「浸潤麻酔」と言い、治療する歯の近くの歯茎に麻酔薬を注入する方法です。注入した麻酔薬は顎の骨の中から歯の根の先に浸透して、歯の中の神経に浸透していくことで、治療する歯に麻酔が効きます。
麻酔が効かない原因は以下のようなものがあります。1)と2)の場合が多いです。
1)歯に強い炎症や痛みがある場合
2)下あごの場合
3)緊張している場合、体調不良の場合
4)飲酒の習慣や内服薬を常用している場合
1)歯に強い炎症や痛みがある場合
強い炎症や痛みがある歯に麻酔をする場合、歯の周辺組織のpHが酸性に傾くため、麻酔が効きにくいことがあります。麻酔薬は、pHが酸性に傾くと効きにくくなる性質を持っています。炎症が起きている歯や歯茎、虫歯で痛みがある歯は周辺組織が酸性に傾いていますので、麻酔薬が効きにくくなります。
対応としては、内服薬(鎮痛剤や抗生物質など)で症状を落ち着かせてから処置を行うことになります。大きな虫歯で痛みが強いときは、神経を落ち着かせる薬を詰めたりすることもあります。
2)下あごの場合
下あごは上あごと比較すると、骨の密度が高いので、麻酔薬が歯まで浸透しにくく、麻酔が効きにくくなります。特に下あごでも奥歯が効きにくいことになります。一番硬く分厚い骨に覆われているのが奥歯の特徴です。
3)緊張している場合、体調不良の場合
歯医者での治療に不安があり、緊張している場合は麻酔が効きにくいことがあります。また、体調不良や睡眠不足などの場合、麻酔が効きにくかったり、普段感じないような違和感を感じることがあります。
4)飲酒の習慣や内服薬を常用している場合
普段から飲酒量が多かったり、抗うつ薬や向精神薬、鎮痛剤を長期間服用していると化学物質を分解する酵素が増え、分解速度は速くなります。麻酔薬が速く分解されるため、効きにくくなってしまうことになります。
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