食べ物をよく噛んで食べることを心がけよう!

2024/03/28

食べ物をよく噛んで食べることを心がけよう!

 普段の食事でどのぐらい噛んで食べているでしょうか?現代の食べ物は種類が豊富にあります。現代の食事は食嗜好の変化や加工技術の発達によりやわらかいものが増えてきて、また時間がかからない食事を好むようになりました。その結果、噛む回数が大きく減少しているのが実情です。その結果、一回の食事で噛む回数は著しく減っています。戦前(1930年代)に比べて半減しているというデータがあります。

 食べる能力は一生のライフステージとともに変化します。生まれてから大人までの間によく噛む習慣を続けることで、食べることの基本的機能が身に付きます。高齢者になると、歯の損失や筋肉の衰えなどによって、食べる能力が減退していきます。この一連の曲線は、よく噛む習慣が身についている人とそうでない人では差が開いていきます。

 噛む回数を増やすと多くのメリットがあります。

1)肥満の防止になる

 咀嚼を増やすことで脳の満腹中枢が刺激され、早い段階で満腹を感じやすくなることはご存じの方も多いのではないでしょうか。満腹中枢を介して交感神経が刺激されることにより、内臓脂肪の燃焼が活発になります。

2)消化が良くなる

 肥満にも関係しますが、よく噛むと食材が細かくなり、唾液中に含まれる消化を手助けする酵素(アミラーゼ)が活性化して消化しやすくなり、胃の負担を減らせます。

3)お口の中が健康になる

 噛む回数が増えると唾液が多く分泌されることから、虫歯予防やお口の健康につながります。食事を取った後のお口の中は酸性になっていて、歯のエナメル質が溶けやすい状態です。唾液には、酸性に傾いたお口を中性に戻す働きがあります。加えて殺菌作用もあることから、むし歯や歯周病といった歯や歯ぐきの病気の予防につながります。さらに、唾液には保湿効果もあります。唾液の中に含まれる水分やムチンという成分は、口の粘膜をウイルスの侵入や刺激から守ってくれます。歯みがき以外に歯や口の健康を保つ方法としても、しっかり噛んで唾液をたくさん出していきましょう。

4)味覚が発達する

 味は食べ物が唾液と混ざることで感じられます。よく噛んでゆっくり食事を味わうと、食材本来の味を感じられるようになります。味覚の発達は、特に子どもの成長にとても重要です。

5)筋肉が発達し表情が豊かになる

 噛む回数が増えると、咬筋や口輪筋、頬筋といった口の周りの筋肉と側頭筋が発達します。これらの筋肉が発達すると、表情が豊かになったり、顎や頬のたるみを防ぐなど、多くの効果があります。口の周りの筋肉は、意識して鍛えなければ年齢とともに衰えてしまう筋肉です。

6)歯並びがキレイになる

 子どもはよく噛むことで顎の筋肉が鍛えられ、顎の骨が広がるため歯がキレイに生えそろうスペースが確保でき、歯並びがきれいになります。

7)脳の働きが活発になる

 噛む回数を増やすと、脳の働きが活発になることがわかっています。よく噛むことで顔の筋肉が動くと脳の血流が良くなり、脳の働きが活性化します。

8)目の疲れを軽減する

 眼精疲労の原因は、目の周りの筋肉の凝りです。しっかり咀嚼すると目の周りの血流が活性化して筋肉の凝りが解消でき、目の疲れを軽減します。

9)ストレスを解消しリラックスできる

 噛む回数を増やすと、ストレスが解消されます。これは神経伝達物質のひとつで精神を安定させる働きのあるセロトニンが、咀嚼によって分泌されるためです。

10)高齢になっても食べる能力を維持しやすくなる

 歳を重ねると、食べ物を噛む力や飲み込む力は衰えてしまうものです。しかし噛む回数を増やして食事を続けていれば、高齢になっても食べる能力を維持しやすくなります。子どもの頃からしっかり噛むことを意識し、高齢になってもその習慣を続けていると、食べる能力の衰えは緩やかです。食事を楽しめることは生きがいにもつながるため、よく噛むことを意識していきましょう。

 

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