味が薄く感じる  ~味覚異常について~

2024/07/03

味が薄く感じる  ~味覚異常について~

「こんにちは。名古屋市緑区の歯医者:たけうち歯科クリニック(ホワイトエッセンス大清水)です。」

 

 味覚は、食事を楽しむため、人間にとって非常に大切な役割となります。しかし、味覚に異常が起きると本来の正しい味が感じられず、味覚異常により食欲不振や消化不良につながるなど、影響を及ぼす可能性もあります。

 味覚障害は、味を感じる仕組みが何らかの原因でうまく働かなくなることで起こります。食物を食べると味を感じるのは、舌の表面の乳頭という細かいブツブツの中の、「味蕾(みらい)」というセンサーが働くためです。「味蕾」の中には、味を感じる細胞、味細胞があって、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つの味を感知しています。感知した味は味覚神経を介して、脳の中枢に伝えられます。さらに嗅覚でとらえられた香りなどの情報も脳に伝えられます。食べ物の硬さなどは触覚、噛んだ時の音は聴覚、見た目は視覚でとらえられます。こうしたすべての情報が、脳の前頭葉で統合され、私たちは食べ物のおいしさを感じるのです。

 味覚障害の訴え方はさまざまで、味が薄くなった、味が分からなくなったというのが多いですが、何もないのにいつも苦い味がするといった訴えもあります。苦み、渋味などを自覚することが多く、このような味覚障害は高齢者に多くみられます。高齢者の味覚障害は、年齢的な唾液の減少、入れ歯などの刺激、さまざまな薬の影響、口の中の細菌のバランスの変化(カンジダの増加 など)が原因と思われます。

 

 味覚障害の原因として最も多いのは、他の病気に使用されている薬剤によるものと考えられます。ついで偏食などによる食事性の亜鉛欠乏症、さらに糖尿病、肝臓・腎臓病などさまざまの全身疾患によるものが続きます。薬剤性の味覚障害も全身疾患に伴う味覚障害も結果として亜鉛が欠乏するために起こるであろうと考えられています。その他には感冒や鼻の病気によるもの、唾液の減少、心因的なものなどが考えられます。

 

 味覚障害の治療の基本は、まず亜鉛を十分とることです。食事で十分にとれないときは、サプリメントや亜鉛製剤という薬が処方されることもあります。不足している亜鉛を補うことで、味を感じる細胞の再生を促し、味を感じやすくします。心因性の場合は、抗うつ薬や抗不安薬を使って味覚障害が改善します。薬の副作用で味覚障害が起こっている場合には、担当の医師と相談しながら、服用中の薬を見直し、場合によっては薬を中止することもあります。

 

 

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