歯周病の治療に使われる内服薬で歯周病は治るの? ~一時的な改善に~

2024/10/10

歯周病の治療に使われる内服薬で歯周病は治るの? ~一時的な改善に~

「こんにちは。名古屋市緑区の歯医者:たけうち歯科クリニックです。」

 

 「歯周病に抗生物質「ジスロマック」は効果がある!と言われていますが本当ですか?」と患者様より質問がありました。結論から言うと、「ジスロマックの服用さえ行っていれば歯周病が治る」というわけではありません。

 

 ジスロマックは歯周病菌の中の「リボソーム」というタンパク質を作る器官に作用し、タンパク質の生成を阻害して、細菌の増殖や成長を防ぎます。抗生物質は急性の歯周病では症状が強い分、炎症部位に対し、抗生物質(抗菌薬)が非常に効果的に作用します。しかし、投与期間が過ぎてしまえばまた元通りの状態に戻ってしまいますので、一時的な効果は期待できても、完治させる効果は残念ながらありません。また、抗生物質は薬剤耐性菌(細菌が逆に増えてしまったりして、薬の効果がなくなってしまう可能性)を発生させることにつながるため、長期に使用することはしません。

 

 歯周病治療・予防の基本は、歯周病菌を極力減らしていくことになります。そのためには、歯周病菌が潜むプラーク(バイオフィルム)を無くしていくことになります。プラーク(バイオフィルム)は非常に強力で強固な膜になっています。そのバイオフィルムの中は歯周病菌が好む酸素に触れない環境です。その中で細菌が増殖していきますが、このバイオフィルムは抗生物質や殺菌液に対しても強い抵抗性を持っているため、物理的アプローチをしなければ除去することができません。物理的アプローチとしての基本が歯ブラシであります。また歯ブラシだけでは取り切れないプラークもありますので、それは歯科医院で専門的ケアによって取り除いていくことになります。

 

 

★あわせて読んでいただきたい!

歯周病と歯槽膿漏って同じ?・・・はこちら>>

歯周病が慢性化すると、細菌の侵入がアップする⁉・・・はこちら>>

カテゴリー

X