肝臓病も歯周病が関係しています! ~非アルコール性脂肪性肝疾患~
2024/11/01
「こんにちは。名古屋市緑区の歯医者:たけうち歯科クリニックです。」
健康診断を受けたところ、普段アルコールをそれほど飲まないのに肝臓の数値が悪い結果が出て、なぜだろうと疑問を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。肝臓の数値が悪い原因の1つとして、歯周病が肝臓に悪影響をもたらしているのかもしれません。
脂肪肝を含めた肥満に伴う肝機能異常の増加に関わる主な肝疾患は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼ばれています。飲酒歴のない肥満者の脂肪肝(NAFLD)の中からも同じように肝硬変や肝がんが発生することがわかってきました。NAFLDは世界的に罹患率が高く、欧米諸国で20-40%、日本でも10-30%といわれており、肥満者の増加でさらに増加すると言われています。80%は病態進行のない、予後の良好な非アルコール性脂肪肝(NAFL)ですが、炎症が起こり、線維化が徐々に進行し、さらに進行して肝硬変や肝癌になる危険性がある非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が10-20%含まれています。NASHとは、「日常的にアルコールを飲まない人の肝臓に脂肪が蓄積して肝臓に炎症を起こしている状態」を指します。
ある研究では、歯周病菌の中でも病原性の高いポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)の陽性率を、「健常な人」「脂肪肝の人」で調べると、健常な人は21.6%なのに対し、脂肪肝の人は50%近くであったと報告されています。さらに、Pg菌を保菌していると、脂肪肝炎の発症リスクが約4倍になることが分かったということです。歯周ポケットに存在する歯垢の中の細菌が血流を介して肝臓へと到達し、病気を進行させると考えられているのです。また、NASHの患者さんに対して歯周病の治療をしたところ、肝臓の数値が改善したという研究報告もあります。歯周病を予防していくためにも定期的な健診とクリーニングをしていくことが一番です。
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