口が開かなくなった!  ~顎関節症でなく智歯周囲炎で~

2025/04/18

口が開かなくなった!  ~顎関節症でなく智歯周囲炎で~

「こんにちは。名古屋市緑区の歯医者:たけうち歯科クリニックです。」

 

 先日、「口が開かなくなった」という患者さんが受診されました。口が開かなくなるというと「顎関節症」が多いですが、この患者さんは智歯周囲炎」の影響による開口障害でした。智歯周囲炎というと歯茎や頬が腫れたりするのが一般的ですが、腫れもあまりなく筋肉に炎症が波及した例でした。

 

 ​親知らずの周囲に炎症が起こる「智歯周囲炎」は、多くの人が経験する口腔内のトラブルです。​この炎症が進行すると、顎の痛みや腫れ、さらには口が開けにくくなる「開口障害」を引き起こすことがあります。​特に、腫れがそれほど目立たなくても、炎症が周囲の筋肉に広がることで開口障害が生じるケースがあります。​

智歯周囲炎とは?

 智歯周囲炎は、親知らず(智歯)の周囲の歯茎に細菌が感染し、炎症を引き起こす状態を指します。​親知らずが部分的にしか生えていない場合や、斜めに生えている場合、歯茎との間に隙間ができ、そこに食べかすや細菌が溜まりやすくなります。​これが原因で炎症が発生し、痛みや腫れを伴うことがあります。 ​

腫れが目立たなくても開口障害が起こる理由

 智歯周囲炎の炎症が進行すると、直接的な腫れがそれほど顕著でなくても、炎症が周囲の筋肉や組織に波及することがあります。​特に、下顎の親知らず周囲の炎症が口を開閉する筋肉(咬筋や内側翼突筋)に広がると、筋肉の動きが制限され、口が開けにくくなる開口障害が生じます。 

早期の対処が重要

 智歯周囲炎やそれに伴う開口障害を防ぐためには、早期の対処が不可欠です。​親知らず周囲に違和感や軽度の痛みを感じた場合でも、自己判断で放置せず、歯科医師に相談することが重要です。​早期に適切な治療を受けることで、炎症の拡大を防ぎ、開口障害のリスクを低減できます。 ​

 

 

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