蓄膿の原因の1つに「歯」?歯が原因で鼻づまり?
2020/03/06
冬の時期は、風邪などで鼻づまりになったりする方もお見えでしょう。鼻づまりの1つとして、「副鼻腔炎」という病名を聞いたことはないでしょうか。副鼻腔炎は急性と慢性があり、「蓄膿症」は耳にすることも多いかと思いますが、それは「慢性副鼻腔炎」のことであります。
副鼻腔炎とは、鼻腔の周りにある副鼻腔が炎症を起こす病気のこと。副鼻腔の中になんらかの原因で細菌などが入ると、炎症を起こし、鼻汁や鼻づまりなどの不快な症状をくり返すようになります。副鼻腔炎は、毎年1000万~1500万人もの人がかかる一般的な病気であります。しかし、急性副鼻腔炎になっても軽症の場合は自覚がない人が多く、「風邪が長引いている」と思う人がほとんど。軽症ならそのまま自然治癒しますが、治らないまま放置すると慢性副鼻腔炎になり、常に鼻が詰まったままの状態になったり、膿のような鼻水が溜まって蓄膿症になったりします。
この副鼻腔炎の原因の1つとして「歯」があります。副鼻腔炎の症状が長引いたりするようなら、それは歯が原因かもしれません。歯が原因の「歯性上顎洞炎」は、上の奥歯周辺のトラブルが原因で、上顎洞(副鼻腔の一部)が細菌に感染し、膿が溜まって歯の痛みや頭痛などの症状を引き起こす病気です。慢性副鼻腔炎の2割程度がこの歯性上顎洞炎だと言われています。
奥歯の虫歯を放置していたり、重度の歯周病であったり、歯の根っこに膿をもっていたり、虫歯の治療を途中で放置していたりすることで、その炎症が上顎洞に波及している場合があります。この場合は、歯の治療をしないと、副鼻腔炎もなかなか改善しないことになるので、歯の治療が必須となります。