なにもないのに舌がピリピリするのでがんでないのか?
2020/04/24
先日、初診の患者様で、「舌がピリピリと痛みます。舌がんではないでしょうか?」という方がお見えになりました。
舌の状態を診てみると、特に病的な異常は認められず、色も良好で、舌の汚れもなく、唾液の流出も良好でありました。お話をうかがうと、食事をしたりするときには舌の痛みはなく、おいしく食べられるそうです。またテレビを見たり、他事をしているときには、舌の痛みは感じないけど、じっとしていると舌の先がピリピリするということでした。
この場合は「舌痛症」と診断させていただきました。
舌痛症は、舌がぴりぴりと痛い、といった症状があるにもかかわらず、痛みを引き起こすような原因を特定できない状態を指します。ときに心因性のストレスから舌痛が生じることもあります。痛みは慢性的に持続するため、日常生活の質が低下することもあります。
舌は繊細な味覚を感じるぐらいなので、神経が細やかな組織になります。そのため、神経がちょっとしたことでごまかしを起こしてしまって、ピリピリと痛いということになったりします。一般的に中年以降の女性に多いとされています。舌がんかと心配されて受診される方が多くお見えです。同じような症状をお持ちの方は、一度は歯科医院で舌の状態は確認していただき、舌痛症と診断されるだけで、安心して痛みが楽になる方もいます。