歯茎が腫れた! 歯肉炎・歯周病でなく、服用している薬の影響?!

2020/09/02

歯茎が腫れた! 歯肉炎・歯周病でなく、服用している薬の影響?!

 当院の患者様のお話です。定期的に健診とクリーニングを受けておられる70代の女性の患者様です。最近、歯茎がずっと腫れて出血するということでした。歯肉が赤く腫れている状態でしたので、ホームケア指導しました。ところが3カ月後の健診でも状態は変わらず、むしろ悪化している感じでした。お話をよく聞いてみると、「少し前から内科で薬が追加になっている」ということでした。内科で狭心症の症状を改善する薬「アムロジピン」が、歯肉増殖を起こしていると考えて、内科に対診して、薬剤の変更をしていただきました。その後、歯肉の炎症は改善をしていきました。

 薬の副作用で歯肉(歯茎)に影響が出たりすることがあります。よく見られる例としては、「薬物性歯肉肥大または薬物性歯肉増殖」といい、けいれんを止める抗てんかん薬のフェニトインの副作用でおこる歯肉肥大がもっともよく知られています。その他にも高血圧治療薬のうちカルシウム拮抗薬でも歯肉肥大がおこることがあります。今回の私の患者様はこのカルシウム拮抗薬の1つである「アムロジピン」が影響を起こしていました。さらに臓器移植や自己免疫の病気で用いられるシクロスポリンを飲んでいる人でも、歯肉肥大の生じやすいことがわかっています。治りにくい歯肉炎は、内服している薬も確認してみる必要があります。そんな方はぜひご相談下さい。

 

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